季刊 個人金融 2022年冬号
発行年月 2022年2月
特集
新型コロナ禍で深刻化する社会的孤立
長引く新型コロナ禍の影響で、社会や他人との接点が少なくなる社会的孤立の問題は、一層深刻さを増し、その解消が課題とされています。
高齢者単身世帯・高齢夫婦世帯の増加に、新型コロナ禍による外出の自粛や支援活動の制限が加わり、高齢者の孤立化が進み、また、非正規雇用で働くケースの多いひとり親世帯は、コロナ禍による雇用の悪化の影響を強く受けています。
就職氷河期世代をはじめとした不安定就労者やアルバイトにより、学費や生活費を賄っている学生も新型コロナ禍による勤務先の休業により経済的な影響を受け、新型コロナ禍による雇止めで寮や社宅に住めなくなった人、収入減により民間賃貸住宅での居住が困難になった人など新型コロナ禍により住宅困窮者が増加しています。
今号では、社会的孤立の現在の状況、高齢者、ひとり親世帯への支援、就職氷河期世代や学生への支援や生活困窮者に対する居住支援、こどもの居場所づくりなどについて、さまざまな観点から分析・考察しました。
目次
特集
わが国における社会的孤立の状況 早稲田大学文学学術院教授 石田 光規 |
社会的孤立の実態とその問題点についての考察 日本福祉大学福祉経営学部教授 |
高齢者の社会的孤立と貧困の現状及び支援策 立命館大学共通教育推進機構准教授 小辻 寿規 |
ひとり親世帯の生活実態と課題―コロナ禍が浮き彫りにしたもの― 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部准教授 吉中 季子 |
就職氷河期世代の不遇から派生する問題の解決に向けて ㈱日本総合研究所 調査部 主任研究員 下田 裕介 |
コロナ禍における学生生活と学生支援 桜美林大学大学院国際学術研究科教授 小林 雅之 ※論文57頁の表1の数値に誤りがあったため、当該箇所について修正を行いました。
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こどもの居場所づくりに関する考察 〜こども食堂を切り口に考える〜 社会活動家 |
新型コロナ禍のもとで居住支援のあり方とニーズについて考える 大阪市立大学大学院生活科学研究科准教授 垣田 裕介 |
新型コロナ禍の母子世帯に対する居住支援の現状と課題 追手門学院大学地域創造学部准教授 葛西 リサ |
調査・研究
持続可能な地域経済を達成するための地域金融機関の情報開示と預金者の役割 近畿大学経営学部准教授 中岡 孝剛 |
地域包括ケアの現状と経済的な利用可能性 同朋大学社会福祉学部准教授 鶴田 禎人 |
書評
小倉 義明 著『地域金融の経済学 ―人口減少下の地方活性化と銀行業の役割』 近畿大学経済学部教授 安孫子 勇一 |
杉山 敏啓 著『銀行業の競争度 ―地域金融への影響』 東洋大学国際学部教授 野崎 浩成 |
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