季刊 個人金融 2020年秋号
発行年月 2020年11月
特集 個人投資の新しい流れ
インターネットの普及や環境の整備により、我が国においてもクラウドファンディングの規模は拡大し、2017年には1,700億円に達したとの民間調査機関による推計もあります。世界銀行は、2020年までに全世界で900億ドルまで成長すると推計しており、我が国での認知度・関心も高まっています。
我が国においても、社会問題・環境問題への関心の高まりを背景にESG投資が徐々に増加していますが、一方で民間シンクタンクのアンケート調査によれば個人投資家の意識・関心は、欧米ほどは高まっていません。ESG投資は、環境・社会・ガバナンスを考慮することが、企業の持続的成長や中長期的収益につながるとの思想によるものですが、ESGの投資収益率の相対的な高さについては様々な議論がされています。
本号では、クラウドファンディングやESG投資等の新しい投資について、我が国や諸外国の動向、発展に向けた課題などについて、様々な観点から分析・考察しました。
目次
特集
家計の金融資産保有状況と新しい投資 ―個人の投資行動の変化を捉えて― 一般財団法人ゆうちょ財団 ゆうちょ資産研究センター 研究員 宮下 恵子 |
クラウドファンディング及びESG投資の意義 ―背景と評価 事業創造大学院大学 事業創造研究科 教授 唐木 宏一 |
我が国におけるクラウドファンディングの課題と可能性 横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院 教授 井上 徹 |
貸付型クラウドファンディングの今後の展望 ―海外の状況を踏まえて― 桃山学院大学 経営学部 教授 松尾 順介 |
わが国投資型クラウドファンディングの現状を考える ㈱地域金融研究所 主席研究員 長谷川 清 |
クラウドファンディングと地域金融機関 飛騨信用組合 常勤理事・総務部長 |
ESG投資の社会的意義と今後の課題 法政大学大学院 政策創造研究科 教授 小方 信幸 |
ESG投資のパフォーマンス評価についてどう考えるか 前東京大学 公共政策大学院 特任教授 湯山 智教 |
我が国の企業年金におけるESGの取組みと課題 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構 特任研究員 三木 隆二郎 |
途上にある日本の個人投資家のESG投資 ㈱野村資本市場研究所 主任研究員 西山 賢吾 |
調査・研究
標準世帯モデル形成の歴史的背景と就労構造の変化 ―制度・慣例のライフコースへの影響― 一般財団法人ゆうちょ財団 ゆうちょ資産研究センター 研究員 宮下 恵子 |
諸外国のリテール金融
諸外国のリテール金融における最近のトピックス(Ⅰ)
一般財団法人ゆうちょ財団 貯蓄経済研究部 総括研究員 鈴木 雅一
ニュース解説
金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書
一般財団法人ゆうちょ財団 貯蓄経済研究部長 山本 一吉
書評
新田 信行・江上 広行 著『誇りある金融 ―バリュー・ベース・バンキングの核心』
一般社団法人地域の魅力研究所 代表理事 多胡 秀人
栗田 健一 著『コミュニティ経済と地域通貨』
専修大学 経済学部 教授 泉 留維
お問い合わせ先
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