季刊 個人金融 2019年夏号
発行年月 2019年8月
特集 人生100年時代における高齢期の資産運用・管理
高齢化の進展とともに高齢者の保有する資産の割合が上昇しており、2014年には60歳以上の高齢者の保有する金融資産の割合は65.7%に達しました。また、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています。
政府の「高齢社会対策大綱」では、「高齢期に不安なくゆとりある生活を維持していくためには、それぞれの状況に適した資産の運用と取崩しを含めた資産の有効活用が計画的に行われる必要がある。このため、それにふさわしい金融商品・サービスの提供の促進を図る。」「高齢投資家の保護については、フィナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)の進展も踏まえ、認知能力の低下等の高齢期に見られる特徴への一層の対応を図る。」とされています。
今号では、高齢期の資産運用・管理や高齢投資家保護の現状、課題について、様々な観点から分析・考察しました。
目次
特集
高齢化社会の課題と金融ジェロントロジーの今後の役割 慶應義塾大学経済学部教授 ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター長 駒村 康平 |
金融バリアフリー ―高齢者にICTで支援の手を差し伸べるコンセプトモデル ㈱日経金融工学研究所 シニアフェロー 中塚 富士雄 |
退職後の適正消費支出額をいかに算出するべきか ㈱ニッセイ基礎研究所 金融研究部 兼年金総合リサーチセンター 兼ジェロントロジー推進室 主任研究員 高岡 和佳子 |
米国の高齢投資家保護と資産寿命延伸への取り組み ㈱野村資本市場研究所 研究部長 野村 亜紀子 |
認知症共生社会の実現に向けた金融機関への期待 ㈱エクサウィザーズ AIプロダクト事業部FinTech部 ドメインエキスパート 尾川 宏豪 |
家族信託の実務的機能と役割 ―新しい制度の光と影― 遠藤家族信託法律事務所所長・弁護士 遠藤 英嗣 |
金融ADRにおける高齢者の紛争処理 名城大学 法学部 教授 前田 智彦 |
人生100年時代の個人金融 ―もうひとつの金融ジェロントロジー 青山学院大学法務研究科教授・金融技術研究所長 大垣 尚司 |
金融審議会市場WG報告の検討 ~その意義と問題点~ 成城大学名誉教授 村本 孜 |
調査・研究
就業・雇用形態別の家計消費の現状 ―消費生活に関するパネル調査を用いた分析― 香川大学 経済学部 准教授 海野 晋悟 |
シングルマザーの正規雇用就労を阻む『障壁』 立教大学コミュニティ福祉学部助教 斉藤 知洋 |
わが国における高齢者介護制度の課題と展望 東京理科大学経営学部講師 菅原 慎矢 |
諸外国のリテール金融
諸外国のリテール金融における最近のトピックス(その4)
一般財団法人ゆうちょ財団 貯蓄経済研究部 総括研究員 鈴木 雅一
ニュース解説
リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査
一般財団法人ゆうちょ財団 貯蓄経済研究部長 山本 一吉
書評
山沖 義和、茶野 努 編著「日本版ビッグバン以後の金融機関経営 ―金融システム改革法の影響と課題」
愛知大学 経済学部 教授 打田 委千弘
持田 信樹 著「日本の財政と社会保障 ―給付と負担の将来ビジョン」
名古屋大学大学院 経済学研究科 教授 齊藤 誠
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