総合指標でみる景気の現状 |
〇雇用者数の伸び・・・12月の非農業部門雇用者数は、前月比+37.0万人の増加 (注)シャドー部分は景気後退期を示す。 |
《ポイント》 ・ 12月の非農業部門雇用者数は、前月比+37.0万人の増加となった。12月分の公表に伴い、10月の増加数が+28.7万人から+29.1万人、11月が+40.4万人から+41.2万人へとそれぞれ上方修正され、合計では+1.2万人上方修正された。四半期ベースでみると、雇用者数の増加ペースは96年10−12月期以降20万人を上回る増加が続いているが、10−12月平均は+35.8万人と最近のトレンドを上回る結果となった。失業率は4.7%と11月の4.6%から0.1%ポイント上昇した。年平均でみると4.9%と73年(4.9%)以来24年ぶりに5%台を下回った。・ インフレ関連指標とされる時間当り平均賃金は、前月比+0.1%の12.48ドルと8か月連続で上昇した。前年比でみると+3.7%と3か月ぶりに4%台を下回った。 (出所:労働省 1月9日発表) |
【解 説】
米国経済は拡大している。97年7−9月期の実質GDP(確定値、季節調整値)は前期比年率+3.1%と、96年10−12月期以降4四半期連続で年率3%を上回る景気拡大が続いている。
12月の製造業の景気実態を表すNAPM(全米購買部協会)景気総合指数は、52.5と、前月の54.4から1.9ポイント低下したものの、19か月連続で分岐点の50を超えており製造業の景気拡大の持続を示唆している。
需要面では、11月の小売売上高は、自動車販売の増加等から季調済み前月比+0.2%と3か月ぶりに増加した。設備投資の先行指標とされる11月の非軍需資本財受注(除く航空機)は、季調済み前月比−1.5%と2か月連続で減少したが、前年比でみると、+10.2%と水準は高い状況となっている。11月の住宅着工件数は季調済み前月比+0.8%の年率換算153.1万戸と3か月連続で150万戸台を超える高水準で推移している。生産面では、11月の鉱工業生産指数は季調済み前月比+0.8%と13か月連続で上昇した。
10月の貿易・サービス収支(国際収支ベース、季調値)の赤字幅は、前月比−13.7%の96.9億ドルと2か月ぶりに減少し、再び100億ドルを下回った。地域別貿易収支(通関ベース、原計数)では、対日貿易赤字が58.7億ドルとなり、対中赤字を3か月ぶりに上回り国別赤字トップとなった。
この間、物価面では、11月の生産者物価は季調済み前月比−0.2%、消費者物価は同+0.1%とそれぞれ落着いた動きを示している。
なお、12月16日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、3月25日以降6回連続で政策金利の変更が見送られた。
消費 |
〇小売売上高…11月は、季調済み前月比+0.2%と3か月ぶりに増加
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生産 |
〇設備投資(実質GDPべース)…7-9月期は、前期比年率+18.7%
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物価 |
〇消費者物価…11月は、季調済み前月比+0.1%と安定的に推移
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