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確定拠出年金の運用資産メニューと求められる金融知識

 

京都産業大学 経済学部 教授
西村 佳子

県立広島大学 経営情報学部 准教授
村上 恵子

要旨



本稿の目的は、昨年来加入者数が8割近く増加した個人型確定拠出年金で提供される運用資産メニューに着目した分析を行い、個人型確定拠出年金加入者に求められる金融知識について検討することである。分析の結果、個人型確定拠年金で提供される運用資産メニューは運営管理機関の業態ごとに特徴があり、同じ投資カテゴリー内ではより信託報酬の低い投資信託を選ばれるなど、一定の評価ができる一方で、バランス型投資信託の割合が高く、中には信託報酬が高いものも含まれるなど、運用資産メニューに偏りが存在することも明らかになった。加入者は、160を超える運営管理機関の中から自らのニーズに合った運営管理機関を選択し、運用資産メニューに並ぶ20から30またはそれ以上の金融資産から適切な金融資産を選択する必要があり、求められる知識や判断は複雑で高度である。今後は、加入者が自らのニーズに合った運営管理会社や運用資産を選ぶために必要となるより高度な知識を習得するだけでなく、より現実的な対応として金融知識が十分でない人の運用をサポートする仕組みづくり、企業型確定拠出年金を提供する企業や個人型確定拠出年金の運営管理機関(多くは金融機関等)が加入者の利益を考えた質の高い運用資産を選択する誘因が働く制度の検討が必要である。



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