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働き方改革と税制

 

東京財団政策研究所 研究主幹
中央大学 法科大学院 特任教授

森信 茂樹

要旨



働き方改革は安倍政権の最優先課題となっている。残業時間の罰則付き上限規制の導入や同一労働・同一賃金の導入などは、労働の質を高め生産性の向上につながり、わが国経済構造改革にもつながる。一方でそれに合わせた社会保障や税制の議論は抜け落ちている。閣議決定された働き方改革実行計画を読むと、新たな働き方として、テレワーク、副業・兼業が推奨されているが、自営業者と雇用者の垣根があいまいになる中、税制上の課題として、給与所得と事業所得の区分が明確ではないという問題がある。またIT を活用した所得の正確な把握とセーフティネットの整備、さらには納税者利便に立った簡素な申告制度の構築、記入済み申告制度の導入などの課題もある。働き方改革で負担の公平性に問題が生じないよう、あわせ検討を開始していく必要がある。