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国際標準と日本のガラパゴス的「同一労働同一賃金」

 

明治大学 経営学部 教授

遠藤 公嗣

要旨



現在の日本で議論される「同一労働同一賃金」の考え方は、ガラパゴス的といわなければならない。賃金の公正性についての国際標準の考え方とは、遠く離れている。賃金の公正性についての国際標準の考え方は、職務基準賃金を前提としていて、「同一価値労働同一賃金」原則ないし「期間(時間)比例」原則にしたがって、賃金を支払うべきだとの考え方である。まず、これら両原則を、最新の知見をもとに、わかりやすく解説する。つぎに、日本の「同一労働同一賃金」論と、その影響下にある2018年6月1日の2つの最高裁判所判決を論評し、それが賃金是正をどの程度まで達成することができるのかを検討する。私見では、手当の部分の是正だけでは、「ささやか」な賃金是正しか達成できないことは明らかである。そして、それほど先の話でなく、基本給の部分について、国際標準の原則にそって是正をめざすべきことを主張する。