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AIと銀行員の雇用リスク・転職意識の分析

 

同志社大学 商学部 准教授

佐々木 一郎

要旨



本研究の目的は、全国の銀行員と銀行員以外(=金融・保険業を除く全産業の就業者)の20〜59歳を対象にしたWeb アンケート調査データ1,400サンプルを使用して、AI(人工知能)が銀行員自身の雇用減少リスク認識・転職意思にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることである。本研究のロジット分析結果から、本人の主観評価でみて、AI導入により自分の雇用機会が減る確率は、全産業(金融・保険業を除く)の就業者と比較すると、銀行員は約2.8倍高いことが明らかになった。今後3年以内の転職希望は、全産業(金融・保険業を除く)の就業者と比較すると、銀行員は約1.35倍高いことが明らかになった。さらに、AIには代替のききにくい、銀行員の強みの業務としては、相続・住宅ローン・資産運用の相談・手続き等の対面チャネルでの業務であることが、銀行員と銀行員以外の両方の調査データによる分析から裏づけられた。

キーワード:AI・フィンテック、銀行店舗・人員縮小、雇用リスク・転職、高齢社会での対面業務の重要性