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日本における年金の公私ミックスの動向と課題

 

立命館大学 産業社会学部 教授

鎮目 真人

要旨



本稿は、世界銀行とILOによる年金の公私ミックスを踏まえ、近年、再編が進む私的年金(職域・企業年金と個人年金)の内容を概観したうえで、日本の公的年金と私的年金においてどのような問題が生じているのかということを明らかにした。その内容は次の二点である。一つは、2000年以降の私的年金の再編の結果、そのカヴァレッジは減少し続けており、企業による従業員への手厚い保障を特徴とする旧来の「日本型福祉」の衰退が進展するとともに、公的年金も2004年改革によって給付の減少が今後見込まれるため、全体として高齢期の所得保障の柱が脆弱になっているという問題が生じているということである。もう一つは、近年、公的年金と私的年金の公私ミックスにより、旧来の水準の所得代替率を保障する政策が推進されているが、2014年の財政検証により、公的年金のうち、特に基礎年金の給付水準が減少し続けることが明らかになったことを踏まえると、それは、機能的に代替関係にない私的年金で基礎年金の代替を図るという構造的な問題を惹起する恐れがあるということである。



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