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自助と社会保障(社会保険)
−社会保険とは国民合意に基づく自助の連帯化である−

 

東京福祉大学 副学長

喜多村 悦史

要旨



自由主義社会においては衣食住などの生計手段は基本的に自助の範疇に属する。社会保障の定義については、ILOや社会保障制度審議会の見解が代表的であるが、それによれば法律に根拠を持つ権利性ある給付ということであり、財源が税でなければならないという制約はなく、わが国では社会保険が中核に位置付けられている。わが国の社会保険の特異点は、就業の有無を問わずすべての国民を加入者とする点と、社会保険に対して政府から高率の財源繰り入れが行われることである。近年中央政府の財政悪化が進行していることから、政府の繰入金確保が危惧され、これが社会保険制度の永続性への不安につながっている。このため年金、医療、介護の各社会保険を保険料のみで運営できるよう給付の見直し、縮減に本気で取り組まなければならない。政府が近年、自助の重要性と共助である社会保険制度の財政安定化を指摘するのは、こうした文脈に沿ったものである。筆者が考える現実的な給付見直し案を紹介するほか、最後に社会保障、就中公的扶助の根拠とされる憲法25 条について、その沿革と先進国憲法における扱いを紹介し、憲法改正議論に一石を投じている。



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