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少子高齢社会におけるライフコースの変化と住宅取得行動の変化

 

桃山学院大学 社会学部 准教授

村上 あかね

要旨



 少子高齢化に伴い、空き家の増加が問題となっている。日本人の強い新築持家志向は政策によって形成された。また、家を持つことが現在の生活、子どもの将来、そして老後の安定と密接にかわっている日本社会の仕組みが存在することが理由である。民営化された住宅市場において、有利な人と不利な人がいる。近年では雇用の不安定化、そして未婚化・晩婚化など日本人のライフコースも変化している。持家志向にも低下の兆しがみられ、住宅取得のタイミングは遅れるようになった。企業福祉頼みの住宅取得には限界がみられつつあり、これからは、住宅取得を希望する人も希望しない人も安心して生活ができるような政策が求められている。それと同時に、生活者自身も会社任せではなく、自分の生活設計を自分で考える時代になった。有効な対処として、金融の専門家の力がますます求められているといえよう。