1. ホーム >
  2. 刊行物 >
  3. 季刊 個人金融 >
  4. 季刊 個人金融2017年春号 >
  5. 要旨9

家計資産構成のフレームワーク
―ソーシャルな資本主義と家計資産―

 

千葉商科大学 人間社会学部 教授

伊藤 宏一

要旨



昨今、家計の資産構成のあり方というテーマは、主に金融資産に焦点が当てられ、欧米に比べて我が国の家計金融資産が預貯金の割合が高いことが問題視され、いかにして証券の割合を増やすかが議論の的となっている。本稿では、米国のパーソナルファイナンス理論、特に統合ポートフォリオマネジメント理論 の視点から、金融資産・実物資産(主に住宅)・人的資産という三資産を家計の基本資産とし、時代の経済構造が家計資産の構造を規定する重要な要因であると考え、今後のソーシャルな資本主義の時代においては、我が国の家計資産について、人的資産を基軸とし、金融資産においては証券のウエイトを増やし、人的資産においては資本的支出が極めて重要となること、そして不動産など実物資産の割合の相対的な低下を進めること、また他の人々の家計資産とのシェアリングも求められること、が基本的な方向であることを示したい。
なお本稿では、金融教育について扱う紙幅がなかった。この点については、「スマート資産形成スタイルの話」(金融庁NISA 特設サイト有識者コラム 全6回)を参照いただきたい。