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  5. 要旨8

高度成長期以降の環境変容を踏まえた家計資産の活用戦略
―「貯蓄から投資へ」の修正案の提示―

 

滋賀大学 経済学部 教授

楠田 浩二

要旨



高度成長期の日本経済は、革新的技術の普及・改良期、資源エネルギー大量利用型、冷戦期、人口増大・報酬型、金融資本中心、追随型等で特徴付けられる環境の下、終身雇用年功序列、擦合せ型生産・開発、相対型間接金融等で特徴付けられる関係志向的経済システムが機能した。然るに、以降の環境は、ICT 主導の技術革新期、環境配慮型、グローバル化、人口減少・負荷型、中産階級資本中心、先導型等へ変容を遂げる中、関係志向的経済システムは環境不適応から機能不全に陥り、持続的イノベーションを産み出せなくなっている。こうした環境変容を踏まえて、「貯蓄から投資へ」戦略を再検討し、同戦略が不適切であったことを示す。而して、現在の環境に適応し持続的イノベーションを産み出せる市場志向的経済システムへの転換戦略の一環として「「社会保障債務」からの解放と貯蓄・住宅・生命保険購入から目標年型長期分散投資へ」を提案する。