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家計の投資信託保有と税制

 

東洋大学 経済学部 教授

大野 裕之

要旨



わが国は、1990年代末より、税制を含む諸制度の変更を通じて、家計の金融行動を「貯蓄から投資へ」振り向けることに取り組んできたものの、その実はあがっていない。本稿はそれを進める鍵として、税制と投資信託について論じた。まず、投資信託税制を過去に遡って概観し、制度の複雑さと非対称性を強調する。そのうえで、家計の投信保有に対する税制の影響を探るためのデータを紹介した。そうしたデータに基づいて、家計の投信保有の動向を概観した後、非対称な税制変更を利用して、税制の影響を探った例として、筆者が手がけた共同研究を紹介する。そこでは、平成16年1月施行の株式投信税制の変更が、株式投信需要を高めたことが示唆されている。最後に、投信保有の推進を通じて、「貯蓄から投資へ」を進めるため、税制の簡素化と研究に利用できるデータの整備を提案する。