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投資信託の現状と課題

 

Foster Forum 良質な金融商品を育てる会 事務局長

永沢 裕美子

要旨



投資信託は、金融ビッグバンが断行された1990年代後半、家計の資産形成の中核商品と位置づけられ、様々な規制緩和が実施された。運用成績の向上やコストの低減を期待しての改革であったが、狙いに反して、@家計の理解・選択が困難になるほどの商品の多様化・複雑化、A投資信託の利用コストの上昇、Bファンド資産の小規模化による運用効率の低下等の諸問題に直面している。販売会社の乗換え営業による手数料稼ぎが主因と指摘されるが、背景にはa 投資信託の供給における販売会社優位の市場構造、b それを甘んじて受け入れる投信会社の経営姿勢、c 販売会社の対面営業に依存するシニア顧客の存在、という構造的要因がある。家計の安定的な資産形成を重要な政策課題と掲げる金融庁は今般、金融事業者の経営姿勢の是正を促すべくフュデューシャリー・デューティーという概念を金融行政に導入、2017年には現役世代をターゲットとする積立NISA をスタートさせる。この2施策によって販売会社、投信会社、顧客の3 主体が変わり、良質な投資信託を育てる循環が回り始めることを期待したい。