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  5. 要旨1

我が国家計の金融資産選択行動の特徴

 

中村学園大学 流通科学部 准教授

吉川 卓也

要旨



 資金循環統計を使って我が国家計が保有する金融資産残高シェアの推移をみると、2000年前後の金融危機と金融ビッグバン以降、定期性預金のシェアが目立って低下し、保険のシェアも上昇傾向から下降に転じていること、投資信託のシェアが金融ビッグバン以降、株式のシェアの周期的な上下動にかかわらず上昇傾向にあることなどがわかる。その原因について、「さまざまな金融資産(金融商品)にはそれぞれ固有の特性があり、需要者である家計は、各種金融資産の特性に注目して金融資産選択を決定する」と考える特性アプローチを金融資産選択行動分析に応用した特性モデルにより分析すると、定期性預金は私的年金や投資信託に、保険は私的年金などに、それぞれ代替したという結果が得られることを示した。また、日米間の資金循環統計の作成方法の違いが、日米間のリスク資産シェア格差を過大にしている点などに関する日本銀行の研究成果を紹介した。