1. ホーム >
  2. 国際ボランティア支援 >
  3. NGO活動状況視察

NGO活動状況調査

 毎年、賛助会員の方々をNGO海外援助活動助成事業及び過去に国際ボランティア貯金の寄附金配分事業が行われている開発途上国に派遣し、NGO活動状況調査を行っています。実際に現地を訪問し、NGOの活動内容・状況を確認し、NGO及び現地の人々との交流を通じて開発途上国の現状や、NGOの果たしている役割・重要性などを確かめていただき、帰国後に周知していただいています。

平成28年度NGO活動状況調査レポート

 平成28年度のNGO活動状況調査は、平成28年11月7日(月)から13日(日)までの7日間、賛助会員等7名をネパール連邦民主共和国に派遣し、NGO海外援助活動助成及び国際ボランティア貯金の寄附金配分を受けている「特定非営利活動法人 ラブグリーンジャパン」、「特定非営利活動法人 国際交流の会とよなか」、「公益社団法人 アジア協会アジア友の会」の3団体の活動状況調査を実施しました。


「特定非営利活動法人 ラブグリーンジャパン」の活動地訪問

 「特定非営利活動法人 ラブグリーンジャパン」は、平成4年度から平成22年度までに16回、国際ボランティア貯金の寄附金配分受け、洪水防止等のための植林、住民に対する植林技術指導や、住民のための有機野菜栽培・生活改善指導などを行い、平成25年度からは当財団のNGO海外援助活動助成を受けて、リーダー農民に対する有機農場研修の実施及び研修施設の補修等を行っています。 また、平成27年4月25日にネパールで発生した地震により有機農場研修施設も被害にあったことから、当財団の緊急支援を受けて修復工事を行っています。 訪問した「特定非営利活動法人 ラブグリーンジャパン」の活動地アナイコット村は、カトマンズから約50km程ですが、途中、幹線道路から脇道に入った途端にそれまでの舗装道路と違いデコボコ道となり、更に狭い上り道を車で1時間45分程度行ったところに、有機農場研修施設(以下「研修施設」という。) があります。


 研修施設では、カウンターパート(ラブグリーンネパール)と村人を含め14人(うち女性8人)からの出迎えを受け、それぞれの自己紹介のあと、これまで行ってきた酪農(牛乳販売)事業や有機農業事業などのお話を直接伺うことが出来ました。その後、研修施設にあるバイオガスプラントや家畜の施設、農業用人工池、牛乳の保存用タンクなどを視察させていただきました。視察後、来た道を戻り幹線道路に戻ったところの近くにある、ラブグリーンネパールの事務所に伺い、パソコン研修センターや果実などの苗木を栽培しているところを視察させていただきました。中でも興味深かったのは、横浜国立大学の依頼で、自然農と呼ばれる不耕起・草生栽培の畑地土壌改善、維持のために、実験でカリフラワーを、不耕起とこれまでの農法で育てて比較をしているそうです。研修棟でラブグリーンジャパンの代表からこれまでの事業の取り組みなどのお話を伺いました。ラブグリーンネパールの事務所を後にして、バネパにある協力農家から仕入れた野菜、紅茶、コーヒーなどを販売しているお店「HOPE」を視察させていただきました。残念ながら収支はあまり良くないようです。


「特定非営利活動法人 国際交流の会とよなか」の活動地訪問

 「特定非営利活動法人 国際交流の会とよなか」は、平成8年度から平成24年度までの間に15回、国際ボランティア貯金の寄附金配分を受け、ネパールにおいて孤児のための寄宿舎運営、女性・子供に対する識字教室、住民のための診療所運営指導、縫製・パッチワークキルト技術の指導を行っています。また平成26年度〜平成27年度には当財団のNGO海外援助活動助成を受け、「女性の生活向上のための縫製・パッチワークキルト技術指導」を、平成28年度にはそれに加え「製パンマネージメント」を実施しています。今回、事業地であるジャナクプル県シンズリ郡ドダウリ村は、カトマンズから空路ジャナクプルへ、そこから2台の4WDに分乗して3時間程掛かるところにあります。ここでも幹線道路では高速道路並みのスピードで軽快に進みましたが、一歩幹線道路を外れると舗装道路はいたるところに穴が空いていて、それをよけながら走り、更に上り下りを繰り返し、3つ程の川を横断し、最後は大きな川の河原を走った僻地にあります。 この村は三方が川に囲まれて、6月〜9月の雨期には、ヒマラヤから流れる水量が増えて陸の孤島になるそうです。夕方近くに到着したので、日が落ちるとこの日の宿泊地へ行くことが出来ないため、早速、平成28年度海外援助活動助成の事業(パンの製作販売)であるドーナツを試食させていただきました。思いのほか大きく甘さは控えめで、1つ食べるとそこそこお腹が一杯となりました。聞くところによると、1日に平均で200個程度売れているそうで、2名のスタッフで行っています。その後、縫製・キルトの訓練センターに移り、一部屋は、縫製を行う部屋でミシンが12台程度配備されていて4名程の女性が作業を行っていました。もう一部屋は、キルト作業の部屋となっていて、キルター12名が作成したバック、クッションなどを見せてもらいました。柄はミティラーアートをモチーフにしていて斬新な絵柄となっています。


 翌日は、ドーナツを販売しているショップ、マーケット、平成19年に国際ボランティア貯金の寄附金配分で建設した1年生から6年生と、就学前を対象とした小学校を視察しました。その後、カースト制度が未だ残っているドダウリ村の民族が暮らす地域を視察しました。藁や竹でできた屋根、壁は土でできているようです。外側の壁はミティラーアートが描かれていますが、その数もだんだんと減ってきているそうです。村を視察の途中に、自立センターの卒業生達が経営している洋服屋があり、ミシンが数台置かれ、縫製作業を行っていました。支援してきた女性達が自立して生活をしている、大変喜ばしい姿であり、一人でも多くの人が自立できる様になると良いと感じました。村を一回りして、自立センターへ戻ってきて、併設している診療所を視察しました。 この診療所は、2006年にコブラなど毒蛇に噛まれ被害者を救済するために診療所を建設し、翌年から国際ボランティア貯金の寄附金配分を受けて、日本から医師や看護師を派遣、そして医療従事者を指導して、2009年以降には増築、医療器具を配備しました。現在は毒蛇に噛まれる被害者も少なくなり、医師、看護師、医療検査師もいて立派な診療所となっています。支援という活動を継続していくことが大切であり、こうしたNGOを資金面から支える事業の意義も再認識しました。

「公益社団法人 アジア協会アジア友の会」の活動地訪問

 「公益社団法人 アジア協会アジア友の会」は、平成14年度から平成22年度までの間に11回、国際ボランティア貯金の寄附金配分を受け、ネパールにおいてバイオガスプラントの設置、栄養改善指導、環境保全・生活改善指導を行っています。また、当財団がNGO海外援助活動助成を創めた平成25年度から平成28年度まで助成を受けて、バイオガスプラントの設置や小中児童への環境セミナーなどを実施しています。ネパールでの地震により被災したときには、当財団の助成を受けてバイオガスプラントの修復も行っています。今回も2台の4WDに分乗して、約1時間で約2,000mの高地にあるバクタプール郡スダール村に到着しました。スダール村でのバイオガスプラントの設置事業は2005年から現在までで、315基設置して目標である25%を達成しています。バイオガスプラントの設置にあたっては、衛生面からトイレも一緒に設置しています。これはバイオガスのタンクと併用ができるメリットがあり、また、メタンガスの圧力で滓が外に出る仕組みとなっていて、年中掃除をする必要が無いなど手間も掛からないため、この村では今でもバイオガスを作りたいとの要望があります。バイオガスプラントの1基当たりの設置費用は38,000円程度掛かりますが、そのうち、政府から補助が8,000円程度あるようで、工期については3週間から1か月程度掛かるようです。使用できるガスの量は、家庭の煮炊き程度は賄えますが、農作業に伴う燃料までは賄えません。更に、メリットとしてバイオガスプラントから出る液肥から肥料を作ることができます。 スダール村を視察することになり、路らしい道ではなく、デコボコの狭い路地をとおり、国際ボランティア貯金の寄附金配分で設置した、農家のバイオガスプラントや震災で修繕したバイオガスプラントを見て回りました。最初の農家は2007年に国際ボランティア貯金の配分により設置されたバイオガスプラントで、約10年が経過していますが、地震の影響もなく、現在も使用しています。日当たりが良いので発酵量も多いそうです。一方、4人家族が暮らす家屋は地震により傾いていて住める状態ではなく、つっかえ棒をして倒壊を防いでいます。 次に訪問した農家も仮設住宅は地震で壊れてしまった又は、倒壊の危険のある家の傍にあり、両方を併用して暮らしています。



  次の事業地は、バゲスワリ村でスダール村から車で5分程度下ったところにあります。平成27年度の海外援助活動助成を受けて設置したバイオガスプラントを視察しました。スダール村に比べ、バゲスワリ村のこれまでの設置数は56基とあまり進んでいません。ここでは、BSP(biogas support program)に登録しているバイオガスプラントの技師の方にお話を伺うことができました。その後、一般的には牛糞を発酵させてガスを発生させますが、地酒であるロキシーの残り滓を利用している農家のバイオガスプラントを視察しました。話によると牛糞より火力が強いようです。 続いて、製作中のバイオガスプラントを2か所見ることができました。 1基当たりのバイオガスプラントは、年間5トンの二酸化炭素の減少、薪の使用量も4,000s減少すると言われています。これまで国際ボランティア貯金の寄附金配分で963基、財団の助成で34基、計997基を設置しており、二酸化炭素(CO2)4,985トン/年間を削減し、薪の使用削減量は、3,988,000s/年間となります。 家事等の燃料だけに止まらず、地球温暖化を防ぎ、また、薪を運ぶ重労働と、煙による呼吸器疾患等のリスクからも解放され、良いことずくめのシステムであることを痛感いたしました。 次の訪問地カトマンズ郡チュニケル村のナウリンセカンダリースクールは、幹線道路から脇道に逸れるとデコボコ路となり、上り下りの連続で20分位揺られ揺られて到着しました。後から聞いた話ですが、数年前まで道はなくチュニケル村まで来ることは容易ではなかったそうです。 カトマンズ郡ということで、中心地からもさほど離れていないので、スムーズに来られると思っていましたが、前述のとおり幹線道路を外れるとまだまだ道は整備されていません。 学校に入ると、児童からの歓迎を受け講堂に案内されると大勢の児童や先生、父兄が待っていました。 校長先生から、「(公社)アジア協会アジア友の会」との関わりや、ネパールと日本との関わりなどの話をうかがった後、それぞれが自己紹介を行いました。 児童からは、毎年財団からの助成を受けて、「(公社)アジア協会アジア友の会」が実施している環境セミナーから得た知識などを活用して、環境活動の発表や状況の報告がありました。

 最後に、ネパールは内陸国で、海外からの企業の進出も難しい地理的条件となっていて、電気、道路、灌漑など社会インフラの不足、ガバナンスの脆弱などの問題も抱えています。それに加えカースト制度が残っていること、自分のことが優先といった国民性などが足かせとなっているようです。このため南アジアで最も所得水準が低い後発開発途上国となっています。また、最近では中東や日本、韓国への出稼ぎが多くなってきており貧富の差が広がっています。今後もネパールの発展は厳しい状況が続いていくものと思われるが、今のところ、トレッキング等の観光が外貨を獲得できる唯一の産業となっていることから、観光地区への車の乗り入れの規制や、震災で倒壊した世界遺産の修復など観光に係る整備を行い、国が少しでも豊かになることが、ネパールの国民ひとりひとりの生活水準を上げる一番の早道ではないかと感じました。


 


このページの先頭へ戻る

国際ボランティア支援